すいか
-ウリ科スイカ属-
すいかは種が多い印象ですが、その理由はウリ科の植物だからとか。他のウリ科の食べ物は?というと、きゅうり、メロン、かぼちゃなどが挙げられます。ウリ科の特徴は、豊富な水分や種の多さなどがありますが、確かにどれも種が多くある食材ですね。
すいかの種を食べると「おなかの中で芽が出る」「虫垂炎になる」などと言われてきましたが、それは迷信です。すいかの種の外側(種皮)はとても頑丈で、うっかり飲み込んでしまっても、ほとんどが消化されずに体の外へ出てきます。また、種は脂肪分とたんぱく質でできているため、消化されたとしても何も心配はいりません。むしろ中国では、種を塩で炒って食べる文化があるくらい一般的な食材なのです。
すいかの名産地は熊本県
美味しいすいかをつくるためには「高気温」と「強い光」が必要です。熊本は盆地特有の気候で、寒暖差があり、土地の水捌けもよく、すいかの栽培に好条件が整っています。
2020年度の生産量は310,900tで、都道府県ランキングでは1位熊本県でシェア16.1%、2位千葉県でシェア12.2%、3位山形県でシェア9.2%でした。
すいかの原産地はアフリカ南部で、シルクロード経由で中国に伝わり、「西瓜」(すいか)となりました。日本に渡ってきた時期は不確かだそうですが、明治時代には西欧の品種改良が特に奈良県で改良され、その後一般的に広まり庶民の果物となりました。
甘くて美味しいすいかの見極めポイント
1.ツルの付け根が凹んで周囲が膨らんでいるもの
2.縞模様がハッキリしてイナズマのようにうねり、触って凸凹しているもの
3.ツルがしなびていない緑色のもの
4.ずっしりと重量感があるもの
1.すいかは完熟してくると、ツルの付け根の周囲が盛りあがってきて、ツルの付け根は凹んできます。
2.すいかの表面の黒い縞の色が濃くて地の緑との境がハッキリし、盛りあがっているものは、元気に育った証で甘味が強いことを示しています。縞模様もイナズマのようにうねっていると、甘くておいしいすいかです。
3.最近ツル付きで売っているものは見かけなくなってきましたが、もし、ツルがあるものだったらツルの新鮮さがすいかの新鮮さです。すいかは新鮮なほど美味しいので、ツルの緑色がしっかりして、乾燥していないものを選びましょう。
4.同じ品種の中で選ぶ際には、ずっしりと重たい物の方が甘い傾向にあります。
すいかは収穫時が最高に美味しいタイミングで、その後2週間程は美味しさは維持されますが、収穫後から低下してくるといわれています。ですので、新鮮なうちに食べましょう。
糖度は12度あると、甘いすいかといえるでしょう。
ちなみに、すいかを叩く音で見極める方法はありますがプロでも難しいそうで、買う前の商品を叩くのもよくありません、やらないようにしましょう。
すいかの日持ち確認はお尻を見る
すいかのお尻部分には、花落ちの跡が茶色く残っています。
この茶色の部分が大きいものは、食べ頃を意味しています。一方、花落ちが小さいすいかはこれから完熟していきます。
食べるまでに日数がある場合は、花落ちが小さいすいかを選ぶとよいでしょう。
なお、食べる際はすいかを放射状にカットすると、中央部分の甘くて美味しいところをバランスよくいただけます。
すいかに期待する健康効果
利尿作用
すいかの90%以上が水分でミネラルなども含み、水分補給に最適です。また、体内の余分なナトリウムを排泄するカリウムを多く含み、他にも含まれるシトルリンとアルギニンの働きで腎機能が高まり、尿の生成を促し、より効率的に利尿作用をサポートするといわれています。また、シトルリンには血流改善効果があり、手足のむくみ解消に効果があるといわれます。シトルリンやカリウムは、果肉が赤い皮の白い部分に多く含まれています。シトルリンは、他の果物にはほとんど含まない成分です。すいかの皮は捨てずに、炒め物や漬物などにして食べていきましょう。
アンチエイジング効果
赤肉すいかには、リコピンがトマトよりも多く含まれています。美肌を損なう活性酸素を除去する力の強いリコピンや、新陳代謝を促し肌の健康を保つβ-カロテン、さらにはビタミンCも含み、アンチエイジング効果に期待ができます。
暑い夏、朝すいかのススメ
すいかの糖分はエネルギー代謝が早く、朝起床後の脳のエネルギー不足に良い補給となります。また、利尿作用があることから、暑くなってしまった体を冷やす働きもあります。そして、リコピンは朝の方が吸収がよいという研究報告もあります。他にも、コラーゲン線維の合成に関与して皮膚の弾力性をアップさせるビタミンCも朝摂るとよいといわれています。
夏の食欲がない朝にパワーチャージできる上、他の効果も期待できるので、朝すいか、オススメです!
参考:農林水産省「作物統計」(2020年度)