かぼちゃは冬の野菜というイメージがありますが、収穫は夏から初秋にかけて行われます。かぼちゃにはでんぷんを糖に変える酵素を含むので、2~3ヵ月間ほど寝かせることによって徐々に甘みが増していきます。昔は、保存がきく野菜として、かぼちゃは野菜が少なくなる冬に備えて保存し、栄養を摂っていたといわれています。
北海道のシェアが約50%弱
国内のかぼちゃの収穫は、北海道が何年もシェア約半分を占めています。2021年度の生産量は174,300tで、生産量の都道府県ランキングでは1位北海道シェア46.7%、2位鹿児島県シェア4.1%、長野シェア4.0%でした(※1)。毎年3~4位は長野県、茨城県で競いあっています。
よく見かける種類は西洋かぼちゃ
かぼちゃの代表的な種類は次の3つになりますが、スーパーでよく見かける種類は西洋かぼちゃです。
西洋かぼちゃ
皮がツルッとしていて、ほくほくとした食感と甘みが強いのが特徴です。代表的なものは「栗かぼちゃ」や「坊ちゃんかぼちゃ」があります。果皮色は、黒皮系、青皮系、赤皮系、白皮系と様々です。
日本かぼちゃ
日本かぼちゃは、溝が深いごつごつとした皮で、水分が多くねっとりとした食感と甘みが少ないのが特徴です。有名なのは「黒皮かぼちゃ」や「小菊かぼちゃ」で、どちらも煮崩れしにくく日本料理に適している伝統的なかぼちゃです。
ペポかぼちゃ
ペポかぼちゃは、日本ではおもちゃかぼちゃと呼ばれ、ハロウィンのランタンに使われたりするかぼちゃです。果皮の色は黄色、オレンジ色、緑色など様々で、形は細長いものや手の平サイズのものが多くあります。ズッキーニや金糸瓜(糸瓜、そうめんかぼちゃ)も、ペポかぼちゃの一種です。
完熟しているほど甘みがあり栄養価も高い
完熟しているかぼちゃを見分けるポイントは、次の4つです。
皮が緑色の品種は濃いものを選ぶ
皮の色は緑色が濃いほど成熟して甘みが増しています。また、縞模様がはっきりしているものがおすすめです。
形は左右対称になっているか?
形は左右対称になっているものを選びましょう。形がいびつなものは、受粉がうまくできていないということで、形が整っている方が栄養が行き渡っていて美味しい傾向にあります。
皮が固いものほど成熟している
皮は固く、爪を立ててもへこまないものを選びましょう。持ったときに重量感があるものがおすすめですよ。
ヘタがコルクのように乾燥しているものを選ぶ
ヘタの周りが凹んでいて、ヘタが太くてコルクのようにカラカラ乾燥しているものが成熟しています。忘れずにチェックしてくださいね。
カットされているかぼちゃは、中身が濃いオレンジ色をしているものを選びましょう。種はふっくらとして、しっかり詰まっているものが成熟している証拠です。わたはきれいなものほど新鮮ですよ。
かぼちゃに期待する健康効果
野菜の中でもかぼちゃの栄養価はトップクラスです。豊富なβ-カロテンは、皮には特に多く含まれています。よくレシピに、少し皮を剥いてと書いてあることもありますが、かぼちゃの栄養を無駄なく摂るならできるだけ皮そのままで調理しましょう。
ビタミンエースを含む抗酸化パワーの持ち主
ビタミンエース(ACE)とは、三大抗酸化ビタミンといわれる、β-カロテン(ビタミンA)、ビタミンE、Cのことをいいます。かぼちゃには、この3つの成分を含み、それらが相乗的に働き、免疫力を強化、アンチエイジング、動脈硬化やガンなどの生活習慣病の発症や進行を抑制するのに働きかけます。また加熱調理して食べるかぼちゃですが、かぼちゃに含まれるビタミンCは、じゃがいもと同じように加熱しても失いにくいのが嬉しいポイントです。
お腹の調子を整える
食物繊維を多く含むのでお腹の調子を整え、便秘予防に一躍するでしょう。
冷え性の改善
疲労回復に役立つビタミンEは、冷え性の改善にも役立ちます。血行不良は冷え性や肩こり、頭痛のほかにも肌荒れなどの原因にもなりますが、ビタミンEは身体の末梢血管を広げることで血流を改善してくれます。
むくみ改善
カリウムの量が野菜の中でもトップクラスです。むくみの原因であるナトリウムの排出を促すカリウムを豊富に含むので、むくみの改善に期待できるでしょう。
かぼちゃの保存方法
丸ごとなら冷暗所で1~2ヶ月保存が可能です。カットしたものは、傷みやすい種の部分をくり抜き、ぴったりラップをして野菜室へ入れましょう。
参考
(※1)「令和3年産指定野菜(秋冬野菜等)及び指定野菜に準ずる野菜の作付面積、収穫量及び出荷量」(農林水産省)