メロン
ーウリ科キュウリ属ー
草本性植物であるため園芸学上では野菜に分類されるメロン。しかし青果市場では消費される形態に合わせて果物として取り扱われています。一般的に、田畑で作られる1年生または多年生の草本類を「野菜」、永年生の樹木に実がなるものは「果物」としています。
メロンの旬は春〜夏、4月頃から九州産からスタートし、5月頃から関東産、7月頃から東北北海道と、南から北へ産地リレーしていきます。 メロンの入荷が年間で最も多くなるのは、関東産がピークを迎える6月です。
主産地は茨城県、熊本県、北海道
メロンは昼夜の気温差と、春以降に強まる日差しで美味しく育ちます。
2020年度の収穫量は147,900t、1位茨城県がシェア22.7%、2位熊本県がシェア16.5%、3位北海道14.7%となっています。茨城県は、24年連続生産量日本一を誇っています。
メロンの収穫量は2006年から2020年の15年間で31.7%減少しています。しかし、輸出量は2010年から2020年にかけて約10倍も増加、2020年度は約90%を香港へ輸出し、その額は約7億2千万円にもなります。
メロンの皮の網目について
メロンの花が咲き、実がついたばかりの頃にはまだネット(網目)はありません。成長していく過程で表皮が中身の成長に追いつかず、表皮に亀裂が入り、その亀裂を埋めるため果汁が染み出して固まったものがネットです。しかし、メロンはネットがない品種もあります。このネットの有無で「ネット系メロン」「ノーネット系メロン」と大きく2種類へ分類します。
ネット系メロン
繊細な甘みの高級品種が多いのが特徴。
代表品種<<<<<
○マスクメロン:上品な甘みと香り、みずみずしくてなめらかな口当たりが特徴、高級メロンの代表格
○夕張メロン:果肉がオレンジ色で、香り高くジューシーな北海道夕張市の特産品
○アンデスメロン:比較的リーズナブルな大衆メロン
ノーネット系メロン
育てやすい品種が多いのが特徴。
代表品種<<<<<
○プリンスメロン:果皮がつるっとしていて白みがかった薄緑色をしている
○ホームラン:比較的小玉で片手で持てる大きさ。味わいは淡白だが上品な甘さとなめらかな肉質で、熟すととてもやわらかくなり口の中でとろける味わい。
○ハネデュー:「Honey(=はちみつ) Dew(=露)」と書き、はちみつのように甘くジューシーであるという意味の名前が付いている。
美味しいメロンの選び方
バランスのとれた形状で、ずっしりと重みを感じさせるメロンは、果実が凝縮されている証です。
さらに次のポイントを見て、美味しいものをぜひ見極めてみてください。
・見た目の大きさよりも手で持ったときにずっしりと重みを感じるものは、果肉がジューシーで肉厚
・皮に張りがあってお尻部分に弾力があるもの
・おしり部分のへそが小さく、飛び出していないもの
<ネット系メロンの場合>
・ネットの緻密さや盛り上がりは、しっかりと果肉が育っている証
・表皮に傷やあざがないもの
<ノーネット系メロンの場合>
・黒っぽい斑点やスジの入っていないもの
・表皮がつるりときれいなもの
・形や色のバランスのよいもの
食べ頃の見極め方
メロンは完熟すると甘い香りがしてきます。ツル付きの場合は、ツルの部分が枯れてくると食べ頃の合図です。ネット系メロンもノーネット系メロンも、おしりの部分がやわらかくなってきたら食べ頃です。また、メロンを爪でポンポンと弾いてみて、高く澄んだ音がしたら未熟で、低く濁った音なら食べ頃といわれています。
未完熟のメロンは、冷蔵庫の中では追熟が進まないため、食べ頃になるまで常温で保存しましょう。追熟時の理想的な気温は20〜25℃になります。
参考:農林水産省「作物統計」(2020年度)
財務省「貿易統計」