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一汁三菜 献立のポイント
2022.08.29 おすすめ記事

一汁三菜 献立のポイント

2013年12月にユネスコ無形文化遺産に登録された「和食;日本人の伝統的な食文化」。
「和食;日本人の伝統的な食文化」には、4つの特長があります。
 1.多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
 2.栄養バランスに優れた健康的な食生活
 3.自然の美しさや季節の移ろいの表現
 4.正月などの年中行事との密接な関わり

南北に長く、四季が明確な日本には多様で豊かな自然があり、そこで生まれた食文化もまた、これに寄り添うように育まれてきました。このような ”自然を尊ぶ”という日本人の気質に基づいた”食”に関する”習わし”を題して、登録されました。

和食の基本である「一汁三菜」は日本型食事スタイルといわれ、理想的な栄養バランスが摂れる、日本が世界に誇るものなのです。

しかし、現代の日本人は忙しさもあって、一汁三菜の食事を用意するのはなかなか難しいという現状があり、政府も”1日2回は一汁三菜の食事を用意しましょう”と呼びかけているところ。
今回は、一汁三菜の献立を作るポイントをご紹介していきます。

一汁三菜は、体に必要な栄養バランスを組める

一汁三菜の献立では、主食・汁物・主菜・副菜を組みます。そして、体に必要な3つの栄養素をバランスよく取り入れていきます。
  「エネルギーを生むもとになるもの」
  「体を作る材料となるもの」
  「体の調子を整えるもの」
栄養さえしっかり摂れるのであれば、おかずの数は一菜でも二菜でも問題はないのですが、一番バランスがよく、そして過不足なく栄養素を摂取しやすい基本の形が三菜なのです。

一汁三菜の役割

主食
毎度の食事に欠かせないエネルギー源です。和食の場合、基本的にはご飯が主食になります。白米のみならず、玄米や雑穀米などを混ぜてると食物繊維、ミネラル、ビタミンなどの栄養価が高まります。和食ではあるものの、麺やパンで炭水化物の摂取源とするのもありです。

汁物
昆布やかつお節で出汁をとり、味噌などで調味した具の入った汁です。汁物は、水分補給の役割も担っています。野菜などで具だくさんの汁物にすると、栄養価が増えて立派な副菜の位置付けにすることもできます。

三菜
主菜1品、副菜2品で構成します。主菜は、肉、魚、卵、大豆製品などのたんぱく質をメインに摂るおかずで、体を作るもとになります。副菜は、野菜、海藻、豆類などを中心として、ビタミン、ミネラル、食物繊維を摂ることを重要視します。副菜は小鉢程度の量が目安です。

栄養バランスと美味しさの工夫

献立を考える時の大きなポイントは次の通りです。

主菜と副菜の食材が被らないようにする
 ⇒食材の種類を増やすと、栄養バランスが整い彩り豊かで美味しそうに仕上がる
一品ごとに調理法を変える
 ⇒様々な食感や味わいに違いができて食事が楽しめる
しょうゆを使った料理ばかりと重ならないようにする
 ⇒辛味、酸味、甘味などの味を組み込むと様々な味わいを楽しめる

副菜の献立ポイント -主菜の種類別-

主菜の種類による、副菜の献立のポイントです。

主菜:動物性たんぱく質
主菜が動物性たんぱく質(肉、魚、卵など)の場合は、副菜2品に、ビタミン、食物繊維を摂取するための緑黄色野菜をしっかり組み入れましょう。 海藻やきのこも、ビタミン、食物繊維、ミネラルが豊富なので、あるとさらに良いでしょう。

主菜:植物性たんぱく質
植物性たんぱく質が主菜になる場合は、豆腐、納豆などの大豆製品で献立を組むことが多いと思われます。大豆は、動物性たんぱく質に引けを取らない、良質なたんぱく質が含まれる食材です。たんぱく質は、鉄分の摂取にも一役を担っていますが、植物性に含まれる鉄分は動物性より吸収が悪いことが難点です。そこで、鉄分の吸収を促すビタミンCを摂取できる緑黄色野菜を組み合わせることが大切です。副菜や汁物に、動物性たんぱく質を組み合わせてもよいでしょう。海藻やきのこなども取り入れて、食物繊維やミネラルの摂取源も用意しましょう。

主菜:動物性たんぱく質と野菜 もしくは 植物性たんぱく質と野菜
主菜に野菜を組み込むと、たんぱく質やビタミンや食物繊維を摂れるので、副菜1つ分を補える一品に仕上がることもあり得ます。そういった場合、副菜は1つだけで十分です。主菜に取り入れられなかった種類の食材を、副菜に用意しましょう。

副菜の献立ポイント -主菜の調理法別-

調理方法によって、栄養素の摂取やキッチン状況も異なります。それぞれの調理法による、副菜の献立ポイントをご紹介します。

主菜:焼き物の場合
焼き物は、魚の塩焼きや豚肉の生姜焼きといった“魚だけ”“肉だけ”になりがちです。付け合せに焼き野菜や焼きキノコ、サラダを用意したり、また、大根おろしもたっぷりあれば副菜の一つとカウントできます。今日はフライパン一つで調理を済ませたい時は豚肉の生姜焼きの前に焼き野菜を先に調理する。グリルで魚を焼く時はコンロが空いているので、野菜を茹でる、きんぴらを作るなど、同時進行で複数の調理が可能で時間短縮になります。

主菜:煮物の場合
和食のメニューの中でも、煮物は塩分が増えやすいので、塩分の排泄を促すカリウムや食物繊維の多い、緑黄色野菜、豆、根菜類を組み合わせましょう。また、煮物はどうしても見栄えが茶色っぽく地味な仕上がりになりがちなので、彩りを意識した副菜を用意すると見栄えがUPします。彩りを意識したメニューはビタミン豊富な献立にもつながります。煮ている間は時間があるので、和え物を作ったりすることができるでしょう。

主菜:揚げ物・炒め物の場合
揚げ物、炒め物が脂っこいメニューなので、副菜には油を使わない和え物やお浸しなどを用意してカロリーを抑えましょう。メインの主菜が脂っこいので、副菜に酢の物を用意するとお口直しになります。コンロ回りが混み合っているようなら、電子レンジ調理も活用しましょう。

主菜:蒸し物・茹で物の場合
蒸し物・茹で物は、あっさりした料理なので、副菜は少しボリュームつけると満足感が上がります。卵を使ったり、油を使ってコクのある副菜を用意してみましょう。

1日2回、一汁三菜の献立を用意することが理想的で、特に朝ご飯に用意することが重要です。主食には麦ご飯や玄米を用意できると、ゆっくりと消化が進み食後血糖値の上がり方は緩やかになり、満腹感が持続しやすくなります。セカンドミール効果によって、昼食後の血糖値の上がり方も緩やかになりやすいので、大変おすすめです。麦ご飯のススメについてはこちらをご参照ください⇒体質改善!麦ご飯!
ライフスタイルなどに合わせて、毎日の食事を健康的に楽しめる方法をぜひ見つけていってください!