健康的な体をつくるには「運動」「休養」「栄養」の3要素のバランスが欠かせません。どれか一つでも欠けてしまうと、しっかり体は機能しません。実はこの3要素、どのライフステージでも必要といえる事なのです。
少し極端なお話、体づくりに特化したアスリートを例にとってみます。アスリートは、試合で最高のパフォーマンスを発揮することが1番の目標です。そのためには、日頃より良いコンディションで競技を続けることが大切です。トレーニングを行うと体は疲労し、そのため、体の機能は一時的に低下します。このタイミングで食事と休養をしっかりとると体は回復し、前よりも高いレベルへ回復します(これを「超回復」と言います)。その他にも、3要素はアスリートにとって、体作りやスタミナ源にもつながる重要な役割があります。
私たちの日常はどうでしょう。仕事の時間、育児の時間、趣味の時間、余暇を楽しむ時間etc…日々の生活をパフォーマンスよく活動していくために、健康的な体づくりは必要だと思いませんか。
今回は「運動」「休養」「栄養」の3つの要素が健康的な体づくりへ、どのように影響していくのかをお話していきます。
運動
筋力アップや体の機能の維持
身体には多くの筋肉が存在します。筋肉は日常生活のあらゆる動作をするため欠かせず、体を支え動かしています。また、エネルギーを貯蔵することや血液を送り出すなど大切な役割もしています。しかし、残念ながら筋肉は加齢と共に減少するため、体の機能を保つためには日頃より運動をして筋力を維持する必要があるのです。
生活習慣病予防
人間の体は食べ物から摂取したエネルギーと、運動で消費するエネルギーでバランスを保っています。忙しくてなかなか運動ができない中、会食が増え、食べる量、飲む量が増えて、体重計にのることが怖くなった経験はないでしょうか?運動もせず、食べる量がどんどん増えてしまう状況が重なると摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ってしまい、脂肪が体に蓄えられることで肥満につながります。また、加齢と共に筋肉量は減り、基礎代謝も低下するため、内臓脂肪もたまりやすくなります。肥満は脂質異常症や高血圧、糖尿病など生活習慣病のリスクが高くなります。運動することは、生活習慣病の予防につながります。
その他にも運動には、「このプレーができるようになった」「勝利することができた」などの達成感や、運動すると日頃とは違う刺激を受けるため気分転換効果が期待できるなど、心の健康へのプラス効果があります。
休養
休養は、運動や仕事などで疲れた体を回復させることや心の健康を保つために必要です。また、成長期の子どもでしたら、体が成長するために必要です。休養には、体を休めるものと、余暇を過ごしてリフレッシュして心を休めるものがあります。休養が不足すると疲労は蓄積され、仕事の能率が低下したり生活の質も低下し、効果的な体づくりもできません。そして、病気の原因にもなります。
栄養
私たちの体は、食べる物で作られています。そして栄養は、体を動かす源です。そのため、バランスの良い食事を3食しっかり食べることで、健康的な日々を送ることや、健康的な日々を送るための体づくりにつながっていきます。毎回の食事では主食、主菜、副菜が並ぶようにすると、様々な食材から栄養素をバランスよく摂取することができます。
また、食べる事は健康的な体づくりだけではなく、精神面にも良い影響を与えてくれます。美味しそうな盛りつけ、良い香り、美味しい、食感がパリパリしている、食事する時は自然と五感を使って楽しんでいるもので、それが豊かな心を育んでいきます。
もし、好きな物ばかり食べた偏った食事をしたり欠食をしていると、体は上手に機能せず不調が出てくるでしょう。現代人は、未だに朝食の欠食する人が多い傾向にあります。朝食を欠食すると、エネルギー不足はもちろんのこと、筋肉の材料となるたんぱく質も不足します。たんぱく質を体に蓄えておくことができる量は極わずかです。筋肉の材料を補うことができないと、筋肉は痩せ傾向になります。3食きちんと食べる事、そして主食と主菜と副菜を用意した献立を意識した食生活を習慣化することは、健康的な体づくりにとても大切なのです。
「運動」「休養」「栄養」の3要素、このバランスを良くすることで、健康的な体づくりにつながっていきます。日頃から、ぜひ意識して生活してみてください。
ライター:山下 真澄
管理栄養士|日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士|
食育インストラクター|一級惣菜管理士|調理師