健康的な食生活には、栄養バランスを考えて一汁三菜の献立を考える事は基本となりますが、低GI食品を意識することも、賢い食事の取り方のひとつです。
低GI食品とは、血糖値の上昇がおだやかな食品の事を指しています。食後血糖値の急上昇は、肥満やメタボリックシンドロームのリスクを高めるため、低GI食品を意識した食事は健康な体づくりへと繋がっていきます。
そして低GI食品にはセカンドミール効果も期待され、健康的な食生活のループを作るための鍵となります。特に朝食や間食に低GI食品を取り入れる事がオススメです。
低GI食品とは血糖値の上昇がおだやかな食品のこと
GIとは「グリセミック・インデックス」の略で、血糖値の上がりやすさを示した数値です。数値が高いほど体内で消化吸収されやすく、血糖値が上がりやすいとされています。
GI値は食品毎に数値で示され、それにより低GI・中GI・高GIの3つに分類されます。GI値を見るときは各食品の数値ではなく、どれに分類されるかで判断していきます。
ダイエット志向の人・メタボが気になる人には特に低GI食品はオススメ
太る原因やメタボリックシンドロームになる原因はカロリーの摂りすぎだけではなく、血糖値の上がり方も関係してきます。私たちが食べ物を食べると血糖値が上昇し「インスリン」が分泌され、糖を脂肪として蓄える働きをします。低GI食品を賢く取って血糖値の上昇がおだやかになれば、糖を脂肪に変えるインスリンが正常に分泌され、過度な脂肪の形成が抑えられるのです。
低GI食品が健康的な食生活へ繋がる理由
1.血糖値の上昇がおだやかになる
2.セカンドミール効果に期待
3.満腹感が持続する
1.血糖値上昇がおだやかになる
健康を考える上では、血糖値は上げすぎず下げすぎず、一定の幅に抑えることが大事になってきます。なので気をつけるべきは、血糖値を急上昇させない食事の取り方をすることです。低GI食品を賢く取れば、血糖値の上昇がおだやかになるので、体へ負担をかけない健康的な食事の取り方になるのです。
2.セカンドミール効果に期待
セカンドミール効果とは「最初の食事(ファーストミール)が次の食事(セカンドミール)の血糖値の上昇に影響を及ぼす」という、GIの提唱者であるジェンキンス博士(トロント大学)が1982年に発表した概念です。実際に、朝食で低GI食品を取り入れると昼食後の血糖値の上昇がおだやかになるという事が研究からわかっています。
3.満腹感が持続する
低GI食品は腹持ちがよいので、空腹感から間食がやめられず、高カロリーで高GIのおやつをつい食べすぎてしまう人にオススメです。低GI食品は消化に時間がかかるものが多く、食べ過ぎを防いでくれます。
食品一覧
低GI食品 | GI値 55以下 | 大麦・そば・ライ麦パン・ブロッコリー・きのこ類・にんじん(茹で)・さつまいも(茹で)・バナナ・いちご・りんご・ぶどう・桃・ピーナッツ |
中GI食品 | GI値 56-69以下 | スパゲティ・ベーグル・クロワッサン・オートミール・とうもろこし・パイナップル・キウイ・レーズン・はちみつ |
高GI食品 | GI値 70以上 | 白米・玄米・パン・餅・せんべい・里芋・かぼちゃ・焼き芋・ドーナッツ |
※ GI値はブドウ糖を摂取したときの血中のブドウ糖濃度の吸収度合いを100として、食品ごとに相対的に表されています
高GI食品を食べる時でも血糖値を急上昇させない食事の取り方
高GI食品を食べないようにしなければならないことはありません。むしろ、低GI食品ばかりを食べていては他に必要な栄養素が不足する可能性もあり、また食事の楽しみがなくなってしまいます。そこで、高GI食品を取る際は次の事を意識した食事にしてみてください。
1.食物繊維が豊富な食材と一緒に食べる
2.食べる順番を考える
3.よく噛んで食べる
4.酸味のある一品を用意
1.食物繊維が豊富な食材と一緒に食べる
食物繊維を含む食品と一緒に食べることで、他の食品のGI値を下げる効果が期待できます。特に、海藻やきのこ類などに多く含まれる水溶性食物繊維は糖を包み込み、吸収しにくくすることで、血糖値の上昇をおだやかにする効果があります。
2.食べる順番を考える
野菜など、食物繊維が豊富なものから食べ始めるようにしましょう。
3.よく噛んで食べる
時間をかけてよく噛めば満腹中枢を刺激するため、食べ過ぎの防止になります。
4.酸味のある一品を用意
お酢に含まれるクエン酸や酢酸には、糖の吸収を抑え、血糖値の上昇をおだやかにします。副菜に酢の物や酸味のあるドレッシングをかけたサラダなどを組み合わせましょう。