食の検定 食検

食検 フードライブラリー
夏の疲れを残さないために…
2024.10.08 レシピ

夏の疲れを残さないために…

暑さがやわらいできたのに、「疲れが抜けない」「元気が出ない」といった不調を引きずっていませんか? 今回はそんな夏バテを解消する方法をお伝えします。

秋になってもなぜ体調がスッキリしない?

夏バテのような体調不良は、「自律神経」の乱れが原因の一つかもしれません。

自律神経は、体温調節や呼吸、循環、消化、排泄、分泌などの生命活動を維持する機能を調整しています。季節などの環境の変化にも対応しなくてはなりません。夏から秋へと環境が変わると寒暖差も激しくなります。このような環境の変化が続くと、自律神経はうまく調整できなくなり、乱れてしまいます。それによってさまざまな不調があらわれます。身体的症状だけではなく、精神的症状もあらわれてしまうこともあります。

ほかにも考えられる不調の原因として、夏の間の生活習慣が深く関係しています。栄養の偏りや冷え過ぎ環境、冷たい飲み物の摂取など、体が冷えた状態が続くことが原因となります。食欲がないからといって、のど越しのいい麺類ばかりに偏った食事をしていませんか。喉が渇くからといって冷たい飲み物だけでお腹がいっぱいになり、食事量が少ないことはありませんか。

食欲がないからといって、欠食するなど食生活の乱れが続くと、栄養素がバランスよく役割を果たすことができないため、体がうまく機能せず、不調を感じます。また、冷えた場所や冷たい飲み物などで体が冷えると、内臓まで冷えて胃腸の機能が落ちてしまい、こちらも不調につながります。こうした夏の過ごし方が秋の体調に影響します。

こんな症状はありませんか?

 身体的症状として、だるい・疲れが取れない・食欲不振・頭痛・めまいなど、精神的症状として、イライラする・眠れない・やる気が出ない・集中力の低下・気持ちの落ち込みなどがあげられます。このような症状が夏から続いている方は要注意です!

対策は「運動・食事・睡眠」

 対策としては、やはり日ごろの生活を整えることが大切です。基本は規則正しい生活を送ること。生活リズムを整えて、「運動・食事・睡眠」のバランスを意識するのがポイントです。

1.適度な運動

夏の間は暑くて、運動ができなかった方も多いのではないでしょうか? 少し涼しくなってきたら、運動を再開しましょう。適度な運動は、自律神経の働きを整えてくれます。生活リズムを整え、ストレス発散にもなります。

2.バランスのよい食事を心がける

3食栄養バランスがとれた食事をすることも大切です。毎日、毎食決まった時間に食事をすることで生活リズムをつくることができ、規則正しい生活を送ることにつながります。毎食、主食・主菜・副菜が並ぶような食事を意識して、栄養素が体の中でそれぞれの役割を果たせるようにしましょう。欠食は禁物です!

3.しっかり睡眠をとる

睡眠は、体だけではなく、心の疲労も回復してくれます。睡眠が不足すると自律神経のバランスが崩れ、免疫力の低下や疲労感が残ってしまうなど、さまざまな不調が出やすくなります。しっかり睡眠をとるために、寝る前にはパソコンやスマートフォンの明るい光を浴びないこと、お風呂は湯船に浸かることなどが大切です。夏場はシャワーで済ませがちですが、脳や臓器などの深部体温が下がることで眠りが訪れます。湯船に浸かって体を温め、その後だんだんと深部体温が下がることで、寝るタイミングが訪れ、深い眠りにつくことができます。湯船に浸かることでリラックス効果も得られ、疲労回復、ストレス緩和にもなります。

4.体を冷やさないこと

体が冷えると内臓が冷えてしまい、消化機能の低下から下痢や便秘を招きます。また、栄養を上手に吸収することができなくなります。その結果、疲労回復ができなくなり、体調不良につながります。クーラーが効いた部屋でもネックウォーマーなどで体を冷やさないようにするといいでしょう。

季節の変わり目は体調を崩しやすいもの。秋の不調は、夏の過ごし方次第という側面があることをご理解いただけましたでしょうか。今からでも、日常生活の過ごし方を見直してみてください。

自律神経についてはFood Library「自律神経を整えるには…」もご参考に。

ライター:山下 真澄

管理栄養士|日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士|
食育インストラクター|一級惣菜管理士|調理師